国立療養所菊池恵楓園歴史資料館

熊本県合志市にある国立療養所菊池恵楓園歴史資料館の公式チャンネルです。
国立のハンセン病療養所菊池恵楓園は明治42（1909）年に公立九州癩療養所として設立され、昭和16（1941）年に国に移管され、国立療養所菊池恵楓園と改称されました。

ハンセン病は「らい菌」によって引き起こされる慢性の感染症です。この菌の感染力は弱く、現在の日本ではハンセン病を発症する人はほとんどいません。ですが、衛生状態や栄養事情の良くない時代には発症する人も多く見られました。症状が進行してしまうと末梢神経に障害が起きて感覚を失ったり、顔や手足が変形したりと言った症状が出ることがあります。現在では治療法が確立しており、早期の診断と治療があれば障害を残すことなく回復することが可能とされています。
　ハンセン病は外見に出やすい症状や何らかの罪を犯したものがかかる病気という誤った考え方から世界の各地で差別の対象となっていました。近代の日本では感染予防のために療養所を設置し、患者を収容するという隔離政策が行われました。この隔離政策は有効な治療薬が用いられるようになり、患者の多くが回復者となっても継続し、病気に対する偏見や差別がなくなることはありませんでした。隔離政策が終わった現在でもこの病気に対する偏見はなくなっていません。
　
当館はハンセン病問題及びハンセン病差別の中で力強く生き抜いてきた恵楓園入所者の人生を後世に伝え、そのことを通して人権が真の意味で尊重される社会の実現を目指して平成18（2006）年に設置された資料館です。
展示室を設置して多くの方々にハンセン病の歴史をご紹介するとともに、各種資料を収集整理、調査することでハンセン病問題のより深い理解がなされるように日々努力しております。
　
当チャンネルの動画ではハンセン病問題や菊池恵楓園についての概要をわかりやすく説明しております。
来館前の事前学習、来館後のより深い学習などにご利用いただけると幸いです。
また、当館ホームページ（https://www.keifuen-history-museum.jp）にはVRガイド（https://www.smartguide.name/kikuchikeifuen-sg/index.cfm）も御用意しています。直接来園・来館するのが難しい方も園内・館内をご見学いただけますので併せてご利用ください。