霞が関の厚生労働省で、初めてとなる「パパ会」が開かれました。イクメン・イクボスの輪は広がっていくのでしょうか? 霞が関にある厚生労働省の年金局。企業年金の制度の立案や審査を担当する前原さん(33)が、終業時刻の午後6時15分に向かったのは、同じ建物にある保育所です。1歳10か月の長女、わかなちゃんを引き取って自宅に帰ると、すっかりイクメンの顔に。ただ、育児の悩みは尽きないと言います。
「夜遅くなる時期とかはありますので、どうしても平日は遊んであげられないなというのがあって。帰ってくると寝てるというのが結構ありました。2人目ができた時にどうなるのかなっていうのがすごく不安」(厚労省年金局室長補佐 前原さん)
そんな悩みを共有しようと、厚労省では19日、初めて「パパ会」が開かれました。去年発足したイクメン職員たちのチーム、その名も「超イクメン部」が呼びかけ、1月19日、「イ(1)クメン・育(19)児」の日にあわせて開催したのです。
「3月に2人目ができる。その時は1か月以上育休を取ろうかなと、上司とも相談しています」(一児の父親)
「10月から12月の昨年末まで3か月育児休業を取りました。まだ仕事の感覚が取り戻せていないのが現状です」(三児の父親)
話題の中心になったのは、育児休業についてです。
「5月くらいに2人目が生まれる予定で、取らなくちゃいけないなと思っています。きょうは育休を取った人の話とかを聞けたらいいなと思っています」(厚労省年金局室長補佐 前原さん)
前原さんは長女が生まれた際、「育休の取得は全く頭になかった」と言います。育休を取らない理由について、「超イクメン部」の調査では、「仕事が忙しくて、休みたいと言える雰囲気じゃない」「給料が下がるのはイヤ」などの声もありました。「パパ会」の後、子どもたちは、普段パパたちが働いている職場を見学しました。
「家庭生活に割く時間も改めて大事だなと。こういう子がいると、早く家に帰りたくなるよな。(Q.上司としても早く帰したくなる?)そうですよ、私もイクボス宣言しているから」(前原さんの上司 鈴木俊彦年金局局長)
部下の育児に理解がある上司であることを宣言する「イクボス宣言」。厚労省ではおととしから、大臣が自ら、父親になった男性職員とその上司を呼んで、育休の取得を促してきました。
「ぜひ皆さん方に育児休業を取ってもらおうじゃないかと。そのためには取りやすい環境をつくらないといけない」(塩崎恭久厚生労働相 おととし5月)
こうした取り組みの結果、省内の育休取得率は1年で27%に倍増しましたが、「超イクメン部」が掲げている目標は取得率100%です。その実現へ向けて、19日の「パパ会」に合わせて、提言が出されました。上司の人事評価の中に、部下に育児休業を勧めたかどうかを入れることや、育休が将来の昇給や昇格に影響しないことを職員向けのパンフレットに書き込むことなどを求めています。
「自分たち(厚労省職員)ができていないのに、やってくださいとは言えないと思います。自分たちからまず変えていく、そして社会を変えていく」(厚生労働省 超イクメン部 石田勝士リーダー)
さらに、政府全体でも変えていこうと、19日朝、橋本厚生労働副大臣から各省庁の副大臣に対して、厚労省に続いて、「イクボス宣言」をするよう促しました。
男性の育児休業の取得率は、最新(2015年度)の調査でも、わずかに2.65%。しかも、その6割近くは期間が5日未満です。厚労省の取り組みで、イクメン・イクボスの輪は広がっていくのでしょうか?(19日15:23)