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「無限」「白夜」-〈白夜詩集〉より-【2011-2014 初演】

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Published on Apr 15, 2015

作曲・田中修一/詩・木部与巴仁「白夜詩集」より

この作品は東野圭吾氏の小説『白夜行』にインスパイアされて創作したものです。『白夜行』は伝聞によって知った粗筋(両親に人生を破壊される少女と少年を描いた)にひかれて読み始めました。丁度その頃に木部与巴仁さんの詩「あかし」を東日本大震災と原発事故に憑かれた気持ちで作曲していた私は、『白夜行』にその曲がきこえるおもいがしました。そのような経緯から木部さんに詩をお願いしました。詩集は四篇の詩からなります。最後の曲「白夜」は「あかし」がもとになっております。全曲脱稿しておりますが、今回はそのうちの2曲が演奏されます。〈田中修一〉

ソプラノ*赤羽佐東子
ピアノ*森川あづさ

*「白夜詩集」は四篇の詩で構成されていますが、トロッタ20では「無限」「白夜」が演奏されました。

 白夜詩集 木部与巴仁の詩に依る

  無限

誰も知らずに生きている
明日があるかと怯えながら
貧しい街にも朝は来る
でも見えもしない
人の顔

どこまで続く
夜だけが
果てしないほど広がっている

ささくれと
虚しさ

理由(わけ)なしに憤る
子どもらに
けだものが持つ
慈しみの欠片すらあたえず

去れ
妨げるもの消えてしまえ
弱きもの滅ぶがいい
惨めな生き物
生きている
たとえこの世が闇であっても

地を這いながら
のたうって
血の水をすすり
眼(まなこ)を光らせ

手も足も
切り捨ててしまうがいい

安らぎなど
わたしたちには無縁だと思う
ふたりの人生
ふたりだけの人生



 白夜詩集 木部与巴仁の詩に依る

  伽藍

貧しい街にそびえていた
人なしの伽藍
コンクリートの影が
心の隅で
どこまでも伸びてゆく

もういいかい ほこりまみれの
まあだだよ ふたりだから

貧しい街はここにもある
わたしの心に
伽藍の隅へ置いて来た
今さら取りには戻れない

もういいかい 生きるのやめて
まあだだよ 逃げるんだから

終着駅はどこにもなかった

もういいかい 貧しい街は
まあだだよ どこにある



 白夜詩集 木部与巴仁の詩に依る

  曙光

あなたがいるから
惨めだと
あなたがいるから
膨らむのだと
哀しみが
きりがない
どこまでも

あなたは知らない
親を殺める罪科(つみとが)も
惨めさの前には
芥(ちり)に等しい

サヨウナラ お父さん
サヨウナラ お母さん

あなたさえ
いなければ
あなたさえ
いなくなれば
この世のどこにも
気配さえ
消してみせよう
この手で

サヨウナラ お父さん
サヨウナラ お母さん



 白夜詩集 木部与巴仁の詩に依る

  白夜

真っ暗な迷路で 
もう何時間も待っている 
明かりのない 狭い場所に 
押しこめられて 
湧き起こる 
悲しみと怒り 
虚しさは手に重く 
冷たい壁に押しつけられた 
抜け殻の私たち

眼(まなこ)を閉じれば 
振り返った顔が笑っている 
止まった時間と 
淀んだ場所 
壊れかけの心が 
川底の石にひっかかる 
その姿 二人の影
夕焼けに燃える町 
生命(いのち)の証がほしかった 

あの日 
どこにも行けずに 
何も見えずに 
立ち尽くしていた

いつまでも待つだろう 
薄明かりの 
白夜で 
いつまででも待つだろう 
薄明かりの闇の中で
気がつけば私ひとり

もう一度 太陽の下(もと)二人で歩きたかった
(2012.2.5)

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