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おおいた温泉道 大久保彩子さん 明礬・豊前屋旅館

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Published on Feb 17, 2016

濃厚な硫黄の香りが立ち込める別府八湯・明礬(みょうばん)温泉(別府市)。「温泉らしい香りがするから硫黄泉が好き」。鹿児島県霧島市在住の大久保彩子さん(34)がそう言って案内してくれたのは、明礬の国道500号近くにある「豊前屋旅館」だった。
 1952年から続く家族経営の旅館で、男女別の内湯がある。ひのき造りの浴槽は一度に5、6人漬かることができる広さ。壁の曇りガラスや大きな窓が浴場内を明るく照らし、ゆったりとした雰囲気を演出してくれる。「ここは泉質がいいけど、浴場の雰囲気もお気に入り」と話す。
 泉質は酸性・単純硫黄泉。湯温が高いため、小まめに湯量を加減して調整する。この日は46度と熱め。少しずつ熱さに慣らし、胸まで漬かって脱力する。「湯が柔らかくて気持ちいい。風呂上がりもしばらく体はポカポカして硫黄の香りがするんですよ」
 生まれ育った愛知県豊田市では温泉と縁のない生活だった。結婚を機に移り住んだ霧島市で温泉に出合い、旅行で訪れた別府で湯巡りの楽しさに目覚めたという。別府八湯にも年5、6度は足を運ぶ。
 豊前屋旅館で入浴後は近くの市営鶴寿泉をはしごしたり、地獄蒸しのプリンなどを味わうのが定番という。「明礬の硫黄泉で肌の皮脂を落とした後、鉄輪で肌がしっとりする塩化物泉に入るのもいいですね」と名人らしいアドバイス。
 大久保さんにとって別府の温泉は「人とのつながりが生まれる場所」。住民、観光客、温泉巡りの仲間…。この日は旅館のおかみ、毛利好恵さん(54)と泉質話で盛り上がった。「ここは特別な温泉」と言う大久保さんに、毛利さんは「いつでもどうぞ。ゆっくり漬かっていってね」と優しい笑顔で答えていた。

データ:立ち寄り湯は午前10時~午後7時。不定休。内湯で男湯と女湯がある。1人350円。効能は皮膚病、神経痛、関節痛などにあるとされている。TEL0977・66・0537

大久保彩子(おおくぼ・あやこ)鹿児島県霧島市のレンタカー会社勤務。九州を中心に湯巡りしている。NPO法人別府八湯温泉道名人会の鹿児島支部長を務める。別府八湯温泉道では8巡目に挑戦中。

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