1999年9月、第5回全関東大会。無名の新人が驚異の快進撃で優勝。恵まれた体躯とスタミナによるパワーラッシュで対戦相手を圧倒し、強烈な印象を残した。その後塚越は、全日本大会の常連となるも、逢坂祐一郎、鈴木国博、塚本徳臣といったトップ選手を相手に苦杯をなめ、次第に生彩を失っていく。だが、負けるたびに塚越は、敗因の分析と相手のテクニック研究に励み、自らの技術を貯えていった。第3回ワールドカップで念願の優勝を果たすも、体力で圧倒してくる外国人相手の力不足を痛感。さらなる精進に励んだ。
そして迎えた第9回全世界空手道選手権大会。鈴木、塚本が相次いで敗れ、日本最後の砦となった塚越は、ヴァレリー、ドナタスといった優勝候補をも圧倒。堂々の優勝を果たした。塚越の勝利は、まぎれもない努力の結晶である。