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共産党倉林明子さん精神保健福祉法改正に断固反対!参議院本会議 20170517

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Published on May 17, 2017

「精神保健及び精神障害者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案」
に対する反対討論     2017/05/17 日本共産党  倉林明子

私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました精神保健及び精神障害者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案に断固反対する立場から討論を行います。

本法案は、相模原事件の直後に総理の指示の下、再発防止策の検討を厚生労働省が中心となって行い、法改正に至ったものです。1月20日の総理の施政方針演説でも「昨年七月、障がい者施設で何の罪もない多くの方々の命が奪われました。決してあってはならない事件であり、断じて許せません。精神保健福祉法を改正し、措置入院患者に対して退院後も支援を継続する仕組みを設けるなど、再発防止策をしっかりと講じてまいります。」と明確に立法趣旨を説明していたのです。事前の法案概要資料にも、改正趣旨として「相模原市の障がい者支援施設の事件では、犯罪予告通り実施され、多くの被害者を出す惨事となった。二度と同様の事件が発生しないよう、以下のポイントに留意して法整備を行う。」と事件の再発防止が、改正全体の前提として明記され、説明がされてきました。

ところが、当事者や関係団体から反対の声も広がり、相模原事件が精神障がい者による犯罪だとする立法事実が崩れる中、法案審議の最中に、前提として説明してきた再発防止にかかる文言を削除し、大臣が法改正の趣旨説明をし直すという前代未聞の事態となりました。犯罪防止を目的としたものではないと繰り返し説明する一方で、法案の中身はいっさい変わらないというのですから、改正目的の隠ぺい以外の何物でもありません。国会も国民も愚弄するこうした政府の対応は、断じて容認できません。

変えないとしているその法案の中身が問題なのです。

第一は、精神障がい者の情報を警察に提供する仕組みをつくり、結果として犯罪防止が目的となっている事です。
措置入院者に限り、退院後の支援計画の策定を自治体に義務付けることで、公務員に対し、措置入院患者の規制薬物使用の告発や、「確固とした信念に基づき犯罪を企図するもの」の情報提供を警察に行う仕組みを新たに設けることが審議を通じて明らかになりました。医療と治療の役割分担を行うとして、未だ犯罪を実行していないものの情報まで、警察に提供する仕組みを作るのですから、その狙いは明らかです。転居先の自治体まで、その情報は引き継がれることとしており、精神障がい者の監視体制の整備ともなるものです。

入院者の情報提供の判断は現場の医師が行うこととなります。結果として、薬物依存症の患者を医療から遠ざけ、病状悪化につながる危険性が高まるだけでなく、妄想や幻聴で苦しむ精神障がい者は、犯罪を企図するものと判定されることを恐れ、医療からも支援からも遠ざかることになりかねません。
精神障がい者の医療、保健、福祉の向上を目的とする本法の趣旨とは全く相いれない、治安目的を持ち込むなど、到底認められるものではありません。犯罪防止ではないというのであれば、中身を変えて、出し直すべきではないでしょうか。

第二は、法改正には、精神障がい者の権利擁護の観点が欠落している事です。
当初の説明によれば、措置入院者の退院後の支援計画の策定に、本人は必要に応じて参加するとされていました。委員からの指摘を受けて、原則参加にするとはしたものの、退院後の支援計画は本人がいらないと表明しても、自治体に策定が義務付けられているために、必ず策定されることとなります。本人に従う義務はないとしていますが、当事者の思いよりも計画策定が優先されることは明らかです。
当事者団体や弁護士会からも求められていた第三者の法定代理人や弁護士も、本法案に盛り込まれず、権利擁護の要となる精神医療審査会は、審査が形骸化し機能を果たせていない実態は厚労省の調査ではっきりしているにも関わらず、改善措置は何ら盛り込まれませんでした。

 そもそも、日本の精神医療は、大臣も率直に認められた通り、世界的にも立ち遅れていることが審議を通じて明らかになりました。病床の多さ、入院期間の長期化はOECD諸国と比較しても突出しています。そうした中で、保護室への隔離、身体拘束が過去10年間で2倍に達し、それぞれ1万件を超えている事実を自らが把握しながら、その要因についての調査はこれからだという始末です。

精神医療における人権問題として、国連の人権委員会からも繰り返し指摘されていることを政府は真摯に受け止めるべきです。2013年には拷問禁止委員会から、隔離・身体拘束について「非人道的及び品位を傷つける行為」と指摘され、非自発的入院を減らすことを勧告されました。また、2014年には自由権規約委員会から、精神科病院における強制入院の減少と入院者の権利擁護措置を取るよう求められているのです。

 日本の精神医療に対し、解決が求められているこれらの課題に対し、精神障がい者の権利擁護の観点からの見直しがほとんど盛り込まれておりません。本法案は撤回し、精神障がい者の権利擁護を目的とした法案として出しなおすことを強く求めるものです。
 
今回の法改正の検討を託された「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」は2016年1月のスタート地点では、医療保護入院の在り方、新たな地域精神保健医療体制のあり方が大きなテーマとなっていたのです。
議論の半ばに、官邸主導で持ち込まれたのが相模原事件の再発防止策でした。本来の法の趣旨とは相いれない犯罪防止策を法改正に盛り込むことに、委員会のメンバーからも、当事者及び関係団体も批判が相次いでいたのに、その声に耳を傾けることなく提出されたのが本法案だということは明らかです。法の趣旨も捻じ曲げ、当事者の声も踏みつけにする本法案を断じて成立させるべきではありません。廃案まで断固として奮闘する決意を申し上げて反対討論といたします。

▼修正案を除く原案
賛成;自民、公明、維新、無所属クラブ
▼修正案
賛成;自民、民進、公明、維新、無所属クラブ
▼附帯決議
賛成;自民、公明、維新、無所属クラブ

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