東京・大田区などの町工場が造ったボブスレー競技用のソリ「下町ボブスレー」の走りを、平昌オリンピックで見られる可能性が出てきました。これまでの経緯をまとめました。
ボブスレーは氷で作られたコースをソリで走ってタイムを争う競技で、最高時速が130キロを超える「氷上のF1」とも呼ばれています。選手の技術はもちろんですが、ソリの性能も結果を大きく左右します。
世界で戦うソリを造ろうと「下町ボブスレー」プロジェクトが2011年に始まりました。ものづくりで培った町工場の技術を活用し、メード・イン・ジャパンのソリを造ることで、大田区や日本の技術をPRする狙いもありました。
下町ボブスレーのソリの性能は徐々に向上していきましたが、日本代表チームからはソチオリンピック、平昌オリンピック共に採用をもらうことができませんでした。そうした中、2016年1月にジャマイカ代表が平昌オリンピックで下町ボブスレーの採用を決定し、共にオリンピックを目指すことになりました。
しかし、ジャマイカ代表は2017年12月に突然、下町ボブスレーの使用をやめて、コーチのキリアシス氏が所有するラトビア製のソリを使い始めました。
ところが、2018年2月14日にキリアシスコーチの辞任が発表され、ラトビア製のソリが使えなくなる可能性が出てきました。この事態を受け、下町ボブスレーのメンバーは「ジャマイカが支援を要請してきた場合に備え、ソリとメカニックは会場周辺に待機している」と話しています。
ジャマイカ代表が出場する女子2人乗りは20日から行われます。ジャマイカ側が当初の約束通りに下町ボブスレーで出場することになるのか、関係者は最後まで希望を持ってジャマイカ側からの連絡を待っています。