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前川喜平 前文科事務次官 2017.6.23

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Published on Jun 23, 2017

Kihei Maekawa, former Vice-Minister of the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology
「私が記者会見したのは1カ月ほど前ですが、国家戦略特区における獣医学部新設の問題を巡り、その後もさまざまな動きがありました。日本記者クラブのご依頼というのもいい機会と捉えまして、会見させていただくことにしました」――今回の会見に至った経緯に触れ、“渦中の人”前川氏が会見した。約30分用意したメモをもとに語った後、約1時間半、記者の質問に答え、会見時間は2時間にも及んだ。

司会 倉重篤郎 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞)
https://www.jnpc.or.jp/archive/confer...

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記者による会見リポート

文科省はヘビに睨まれたカエル?

加計学園事件とは何か。疑惑の深い闇が、最も高い証言能力を持つ人物によって、1枚ずつベールが剥がされていくような会見だった。

第1のベールは、いかに行政がゆがめられたか。国家戦略特区という特定主体が恩恵を受ける一種の利権行政が、十分な透明性、公平性なく進められた。最初に加計ありき。そこへもっていくために「獣医学部が広域的に存在しない」「2018年4月開学」との新条件が付加され、ライバルの京都産業大が排除された。

同特区条件の「国際競争力の強化」「国際経済拠点形成」という観点からの検証も、閣議決定済みであった獣医師の需給関係からのチェックも不十分。従って①第三者機関を設置しての調査②安倍晋三首相を先頭にした説明責任の履行③特区諮問会議での再検証が必要だと強調した。

第2のベールは、安倍首相周辺で誰がそのゆがみを主導したか。前川氏によると、キーパーソンは一貫して和泉洋人首相補佐官だという。萩生田光一官房副長官は、むしろ文教族議員として文科省寄りの調整を期待された人物だったが、その後立場を変えた。結局、文科省はヘビ(官邸)に睨まれたカエルだった、という比喩がその力学構造を物語る。

第3のベールは、権力とメディアという問題だ。5月22日付読売新聞の「出会い系バー通い」報道を取り上げ、その前日に官邸から接触があったことを明らかにし「官邸の関与」に言及、その因果関係をメディアがきちんと検証すべきだ、とした。

恒例の揮ごうは「個人の尊厳 国民主権」。いわく。国家公務員もまた、個人、主権者である。滅私奉公するだけでなく、一人間として思想、良心を持ち、国民としておかしいことは、何らかの形で伝えるべきだ。粘り強く、しなやか、そして強靭に、と。後輩たちへの言葉だった。

この説明のうまさと静かな気迫。むしろヘビが追い詰められている。

企画委員 毎日新聞社専門編集委員
倉重 篤郎

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