http://www.otani.ac.jp/syakaijin/syakaijin/syougai_g/index.html
立原道造は、詩のほかにも、さまざまなジャンルの作品を残しています。とりわけ重要なのは、物語とも小説とも呼ばれる創作的散文です。ソネットという厳格な定型詩に本領を発揮した立原が、同時に、この奇妙で少しだけ典雅でもある「物語」の制作にも没頭したのはなぜか。両者の不思議な関わりに興味をそそられます。また、ひとつの作品の中に多種多様な要素が含まれていることも、立原文学の大きな特徴となっています。同時代の文学者との密接な交流と、古今東西の旺盛な読書によって充満した彼の詩嚢(しのう)が、コラージュのような表現を生み出したからです。では、彼の感受性と実体験は作品成立前のどの段階で、どのように作用したのでしょう。寄せ集め細工的な作品が立原ならではの表現となりえた理由は何なのでしょう。立原道造の文学的道程を辿りつつ、これらの問題に分け入ってみたいと思っています。
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