【鈴木淑夫インタビューNO34】
経済学者の常識として、1989年以来、悪い均衡と言うべき低成長を続けてきた日本経済が、本格的に立ち上がってくるためには、何か「大きな圧力(ビッグ・プッシュ)」が必要だと言われてきた。それは政府による思い切った政策などの内的なインパクト、ないしは黒船来航のような外的ショックのことだ。
今回の東日本大震災は、この「ビッグ・プッシュ」と考えられる。日本にとって、被災者と被災地のことを考えれば重苦しい気持ちにならざるを得ないが、復興需要ということを含めて考察すれば、今回の震災を「ビッグ・プッシュ」として、日本経済を新しい発展の次元に引き上げる大きなチャンスだ。
問題は、復興のパワーとも言うべき電力供給能力である。現在、原発に対する一種の拒否反応があり、政治家も東電も、4~6月期から本格的に立ち上がってくると思われる復興需要に対し、運転停止中の火力発電所の再稼働などで、不足分を補う構えだ。しかし問題は、東京電力の保有する17基の内、安全停止中の9基(出力958.4kw)の原発を再稼働できるかどうかが、鍵を握っている。(佐藤弘弥記)
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