アルバム「パールカラーにゆれて」より。作詞阿木耀子作曲宇崎竜童編曲矢野立美。またまた、新たな名曲の登場である。これほどまで阿木さん・宇崎氏の名曲を見せつけられれば、百恵にとってメインの作家になってしまうのは、当然の結果である。しかも曲調が次々に変わっていっても駄作が全くなかった。アルバム「17才のテーマ」に収録された「木洩れ日」、「碧色の瞳」、「幸福の実感」の3曲に始まって、アルバム「横須賀ストーリー」の収録曲の6曲、そしてこのアルバムの2曲の、全てがタイプが違っている。その上、全ての曲が傑作なのである。なおかつ、百恵が歌ったときにその曲がより輝きを増すように感じる。このおふたりの作った作品が、百恵にぴったり合った曲ばかりだということが、やはり、天才の夫婦なのだということを再確認させられた。「♪Woo Woo Woo Orange Blossom Blues」と歌っているのだが、僕の手元にある、当時の宇崎氏のデモテープでのメロディ自体は、カントリーやブルースというよりもむしろ、この後におふたりが書いた、「寒椿」やアルバム「17才のテーマ」に収録された「木洩れ日」などに共通する純日本的なものを感じるメロディであった。矢野氏のアレンジは、「オレンジ・ブロッサム・ブルース」というタイトルのイメージから、スティール・ギターを使った、カントリー・ブルースのようなサウンドを意識したものになっている。歌のアタマの「♪冬から春まで待ってます~」の、百恵の伸ばす音に重なってくる綺麗な高音のオーボエ(クラシック音楽で使われる木管楽器)の音、その直後に、今度はカントリー・アンド・ウェスタンで使われるスティール・ギターの音が重なってくるという、不思議な楽器編成のアレンジなのだが、まったく違和感のない自然ないい雰囲気を出しているのが面白い。サビの「♪あなたほんのしばらく~」のバックのベースが、ちょっとやりすぎ感があるのだが、「♪ブン・ブン・ブン・ブン」という、印象に残ってしまう面白いフレーズを弾いている。百恵は「♪お部屋の中をこのままにして~」や、メロディ最後の「♪オレンジの季節まで」などの独特の宇崎節とでもいうメロディを、爽やかに歌って完全に自分のものにしている。(以上回想記より全文抜粋)
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