あるときひとりの男が言う カフェを開いて人を集めて
若者たちがわいわいすりゃいいなって
スタバの講習に行ったんだ 嬉しそうに声を弾ませ
のの字を描いて珈琲を注ぐ
その店はひっそりと 渋谷の片隅薄暗い地下で
ジャズを流してオープンしたんだ
メニューをつくったことすらないのに
てんてこまんまいのキッチンで
出来上がったパスタには味がなく
カレーをつくればバーモンド
味に気づかれてちょっと焦る
いちにち疲れて
いい日だったと 今日を終える
ありがとうありがとう
いい気持ちで 今日を終える
ふとときどき思うんだ カフェを開いて人を集めて
いなかったら何してたんだろうって
「東北の人はこちら」って 道端にたてたボードがなんだか
うさんくてやるせなかった
それもいまではなんだかいい話
毎回だけども広報を
口コミどうしようって頭をかかえる
それでも最後はやってよかったと
終わりはけっこういいかんじ
カレーのスパイス
いい具合に 今日も臭い
ありがとう 臭いけど
いい日だったと 今日を終える
けっこう笑ってる
いい気持ちで みんな笑ってる
ありがとうありがとう
疲れ果てて 床に就く
いい気持ちで 明日を迎える
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