中国経済産業局と広島アニメーションビエンナーレが共同で開催した第一回みんなのライトノベルコンテストで受賞したライトノベル 作品が映像化されました!(パイロット案)
あらすじ
陽光が射しこむ午後、中学生最後の夏休みを故郷の香川県で過ごしていた受験生、楠真琴。祖母から香川に伝わる不思議な『言い伝え』の話を聞かされる。
「文月の月眠る亥の時、離された心一つにならん・・・」
言い伝えはその昔、平家と源氏の争いの中で許されぬ恋に落ち、非業の死を遂げた平家の武官が年に一度、光の船に乗って恋人のもとへ現れる・・・と言うもので、受験勉強の息抜きになればと、真琴は言い伝えを見に行く事に。
それはこれから始まる物語の序章にすぎなかった ─
途中、かつてのクラスメイト深沢英博(博士)と偶然に再会。あまり親しい間柄ではなかった二人だが、懐かしい思い出と共に深沢も言い伝えについて探りを入れていることを知り、意気投合する。「言い伝えの正体は宇宙船」と言い張る天文オタクの深沢は自分が星にかける思いを熱く語る。真琴はそんな無邪気に語りだす深沢に、少しずつ惹かれはじめていた。
二人は言い伝えが起こるとされている砂浜の鳥居に向かうが、亥の時を過ぎても何も起こらなかった。夜の砂浜にたどりついた二人は言い伝えも宇宙船も存在しなかったことに気落ちする。しかし、ふと空を見上げると、なんと夜空は天球儀でさえも嫉妬を覚えるほどの、満点の星空で埋め尽くされていたのだ。それぞれの思いを胸に秘め、二人は大人になっていくみたいに穏やかな心になっていった。
すると深沢は真琴が引っ越した日に追いかけたこと、なにか深刻なものに押し潰されそうな心境で語り始めた。
「月が眠る今夜だけ、許しをもらったんだ。」
気がつくとそこには、深沢がしていたタイメックスの時計が一つ。一輪の花のように咲いていた。真琴は消えた理由も深沢の思いもまだよく掴めないまま時が過ぎる。
夜が明け、真琴はタイメックスの時計を手に深沢の家に行く。深沢の母、小夜から二年前の夏に交通事故で死んだと聞かされ耳を疑った。
信じられない事態に真琴は戸惑ったが、誰も知らないもう一つの世界へ行ってしまった初恋の相手は確かに存在していた。そう強く胸に秘め、深沢から受け継いだ時計を胸に、また、明日に向かって歩き出した。
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