西宮名塩のS氏邸でご馳走になっていた時、キッチンのカウンターの椅子の箱の中にはずっと猫が眠っておりましたが、しばらくして起き出して、さぁ降りようと思ったらしいのですが、一人では降りられず(箱に入る時はどうしたのだろうかと思うのではありますが)、鳴き声をあげてS氏の助力を求め始めました。ところがS氏は独立不羈の気風に富む老米国人ですから、相手が畜生にあろうとも容赦せず自立自助の精神を鼓吹して、小さな椅子を用意してそばに置き、「汝椅子より降りんと欲れば、まずは自ら努力を尽くされよ」とばかりに一切の手助けをせず、そばで見守るだけなのでありました。でもやっぱり老猫でありますから、自分では降りる事が出来ず、S氏に降ろしてもらったのでした。
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