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企業年金の仕組み
■今までの企業年金の主役
長い間企業年金の主役を務めてきたのが、税制適格退職年金と厚生年金基金の2つの
制度になります。そのうち、税制適格退職年金は、平成24年3月末での廃止が決まって
おり、また、厚生年金基金も解散数が相当に増え、現存している基金でも中小企業が加
入する総合型と呼ばれる基金は、厳しい財政事情を抱えているところが多く、日本の企
業年金は、転換期に差し掛かっているといえます。
■新しい企業年金
税制適格退職年金と厚生年金基金に取って代わるものが、確定拠出型年金(DC)と確
定給付企業年金(DB)の2制度になります。それぞれの、特色を見ていきましょう。
■確定拠出型年金(DC)
確定拠出型年金(DC)は、企業型・個人型と呼ばれる各制度がありますが、今日はその
うちの企業型につきご説明します。
企業型の制度は、会社が出す掛金を加入者となる従業員の皆様が自己責任の下運用
をしていきます。そして、60歳以降に運用成果に応じた金額を受け取る仕組みになって
います。つまり、将来の受給額は変動します。その他にも、加入者が高度の障害状態に
なった場合や、死亡の場合に給付金が受け取れます。
メリットとしては、掛金の拠出、運用、給付の3段階において税制優遇が受けられること、
ポータビリティ、つまり年金資産の持ち運びができるので、転職しても不利にならないこと
が挙げられます。また、会社側にとっては運用リスクは加入者が負いますので、運用状
況が良くなくても、追加で掛金の補てんを行う義務はありません。
留意点としては、60歳まで確定拠出年金のお金を引き出せないことと、企業側は加入者
に対して、投資教育の責任を負うことが挙げられます。60歳まで引き出せないことは、逆
の見方をすれば、老後資金を確実に貯められますし、公的年金の先細りの中では必ずし
もデメリットには働かないと思います。そして、学校教育で金銭教育を行って来ていない
日本では、投資教育の内容が役に立つことは間違いありません。企業型の確定拠出年
金制度は、平成21年12月末現在、約1万2千社、340万人の加入者がいます。
■確定給付企業年金(DB)
続いて、確定給付企業年金(DB)です。確定拠出型年金と違い、将来の給付額が約束さ
れており、運用リスクは加入者でなく企業が負うものです。平成24年3月31日で廃止され
る適格退職年金に近く、デメリットを解消したのがこちらの制度です。
3年以上の加入で脱退一時金、20年以上では年金の受給権が発生します。
企業側にとって運用リスクを負うというのは、運用状況が良くなければ掛金の追加負担
の義務が発生し、また、運用状況が良好であれば、掛金の軽減が可能になっています。
退職給付債務の認識が必要で、責任準備金と年金資産の差額を退職給付債務として認
識する必要があり、企業決算にも影響を与えてきます。
また、メディアで日本航空の年金問題が大きく取り上げられたように、親企業本体の経営
が悪化すれば、将来の給付額が必ず保証されるわけでないという自覚を加入者が持つ
必要があります。企業にとっても、給付額を減額するには現役の社員、OBにも同意の取
り付け等の負担が発生するリスクがある覚悟の下、導入すべきかと思います。
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