matohuのショウはざわめく竹林の風の音とともに始まる。
作曲家の畑中正人氏が、京都の竹林で録音した自然の風の音とともに、モデルがふわりとmatohuの長着をまといながら現われ、ゆったりと階段を巡り、上がっていく。そして自分で重ね着された長着を着替えていく。床に置かれた服も作品の点景となる。
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2011年7月23日(土)
香川県 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
杉本博司「アートの起源 ー歴史」 関連プログラム
matohu 長着コレクション ファッションショー
杉本博司氏がKCI(京都服飾文化研究財団)所蔵の20世紀の代表的なファションデザイナーの作品をモノクロで撮影した作品群「Stylized sculpture 」が壁面に並ぶ。
ヴィオネ、シャネル、ディオール、サンローラン、三宅一生、川久保玲、山本耀司など。20世紀のこれらの作品はすべて共通項は「パリ」。人類史でこれほどモードがめまぐるしく移り変わった時代はないが、同時にこれほど一都市に集中したこともない。それがパリモード=ファッションのモダニズムの歴史。その変化の歴史をモノクロ写真に収めた物が壁にかけられている。
舞台中央には杉本氏が作り上げた、古代の出雲大社の大階段を模したモニュメントが置かれている、その階段の一番上にあるのはディオールのオートクチュールのスーツドレス。
大階段は聖なる場所ということで土足厳禁。
そこで履物を脱ぐ、整えるという「所作」を、ショーの演出に取り込まれ、モデル達が大階段をゆっくり上っていく。
モデル自ら服を脱ぐ、纏うという「所作」もまた新しいショーの在り方を作り上げる。それは日常性の見過ごされがちな所産の美を、あらためて可視化するという試みだろう。
matohuの作品は、近代パリモードの歴史とは全く別の文脈の「日本の服飾文化」の源泉から生まれている。そしてそれが同時に普遍的なファッションとして成立するという、今まで見過ごされて来た価値観の提示である。
20世紀モードの歴史の殿堂を取り上げた作品と、これからの21世紀のファションの新しい展開。
杉本氏の大階段の上での、その両者の出会いと橋渡しを象徴するような一夜限りのアートインスタレーション・ショーとなった。
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