中川研究室は、人間の身の回りにありふれている目に見える光、可視光を使った通信について研究しています。
可視光通信は中川研究室が世界に先駆けて始めた研究です中川教授・春山教授がそれぞれ名誉会長・会長を務める可視光通信コンソーシアムでは、多くの企業と共に可視光通信の標準化に向けた取り組みが行われています。
2009年12月に行われた慶應科学技術展(KEIO TECHNO-MALL)において、可視光通信を用いたデモを行い、最新の研究結果を展示しました。
Q「研究の具体的な内容としては、これからどんどん普及していくであろうLED照明やLEDの交通信号機やLEDの看板など目に見える光を使って情報を送るというものです。それができるようになるとあらゆる所にあるLED照明が使えるので、ユビキタスネットワークに使えるんじゃないかと思っています。」
今回展示されたデモの一つが可視光通信によるロボット制御です。これは可視光で位置情報を送って、ロボットを制御するというもので、ロボットには光センサの他にイメージセンサが搭載されており、可視光の光源の位置情報を元に自分の位置を把握しています。
Q「今回のデモは、これらのセンサを車いすに付けて、病院の中にあるLED照明から位置情報をもらって患者を医師の所まで誘導してくれるといったシーンを想定しています。」
研究室では、可視光通信を使ったもうひとつの例として、100Mbpsの可視光ワイヤレスLANのデモシステムを展示しました。こういったシステムが実現すれば、電車や飛行機や病院の中など電波を使ってはいけない場所でのデータ通信が可能になります。
Q「このデモの特徴としては、端末側の送受信機の前にミラーが取り付けられており、ミラーの方向を正確に照明器具に向けるという新しい技術が使われています。このように手をかざして光を遮ると、この端末が照明器具を探します。手を離すと照明器具を見つけて、ミラーが安定します。」
Q「3つめのデモについてですが、最初のデモでお話ししたイメージセンサを改 良して非常に速く通信をするように試作しました。デジカメに入っているよう なイメージセンサのように、2次元のアレー状にセンサがならんだ素子を作り、 1Mbps以上の速度で受信をするということが可能になり、可視光から位置情報だ けでなく、ビデオや音声などのコンテンツも一緒に受信出来ます。つまりひと つのデバイスでビデオや音声のコンテンツと共にそれがどこから来ているかと いう位置情報も取得できます。」
Q「可視光通信のキラーアプリケーションだと考えているのが、位置のサービスです。自分がどこにいるかということをユーザに知らせたりするサービスです。現在、位置のサービスというとGPSを使ったカーナビなどが実用化してますが、GPSの電波が届かない屋内ではGPSによるナビが使えません。そこで、屋内のLED照明を使うと、屋内でのナビゲーションが可能になります。さきほど紹介した患者さんを病院内で誘導したり、ロボットを制御したりといった応用に使えると思います。」
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