伊福部昭さんが作曲されました『ピアノと管弦楽のための協奏風交響曲』この曲は1941年に発表され、戦時下の1942年に東京の日比谷公会堂で初演された後、1945年3月10日の東京大空襲で楽譜が焼失してしまった!、と長年考えられていました。しかしその後56年間もの長きに渡り行方不明の状態にあったこの曲の幻の楽譜が1997年に偶然にもNHKの内部から発見されたことをきっかけにして、発表されてから約56年ぶりに蘇演録音とCD化が実現し、再びこの様に聴くことが出来るようになったという作品です。
楽譜が発見された当時の伊福部昭氏の発言によれば『当時の時代感情の表現として、別に戦争を礼賛するわけではないけれど、モダンな鉄と鋼の響きと民族的なエネルギーを、何とか上手く結び付けられないものか?という想念にとらわれたのです。
プロコフィエフやモソロフやオネゲルやヴァレーズの未来派的な作品にも強く影響されていました』と述べられております。
また、初演された1942年3月3日は太平洋戦争の勃発から約3ヶ月後で、『ちょうど、北はアラスカ、西はマダガスカルでの日本軍の戦果が報道されていた日で、友人の早坂文雄君らと「日本もなかなかやるもんだなあ~」と語りあった記憶があります・・・。
とにかく、ちょっといかれていたのですね。そのいかれた気分がどうも音楽にも反映してしまったようで・・・』とも話されております。
この曲の初演時のプログラムにも『血液の審美と現代のダイナミズムの結合が、この作品の主体である』との言葉を作曲者の伊福部昭氏は寄せられております。
とにかくこの曲は、日本で唯一のハードな『戦争音楽』の作品だと思われますので、後に発表されることになるゴジラなどの映画音楽の作品にも繋がるような、バーバリックな側面の伊福部昭氏の音楽の魅力を感じさせてくれるようなそんな作品です。是非じっくりとその辺りの所を楽しんでお聴きになってみて下さい!。
(この曲は全部で3楽章までありますので是非残りの楽章については発売されているCDを買って、お聴きになってみて下さい)
『ピアノと管弦楽のための協奏風交響曲』(1941)
第1楽章:機械的ヴィヴァーチェ 1st Mov.:Vivace meccanico
第2楽章:憂鬱なるレント 2st Mov.:Lent con malinconia
第3楽章:野蛮なるアレグロ 3st Mov.:Allegro barbaro
作曲:伊福部昭
指揮:大友直人
ピアノ演奏:舘野泉
演奏:日本フィルハーモニー交響楽団
『SYMPHONY CONCERTANTE FOR PIANO AND ORCHESTRA 』(1941)
Akira Ifukube (Composer)
Naoto Otomo (Conductor)
Izumi Tateno (Piano)
The Japan Philharmonic Symphony Orchestra
録音:1997年8月18日~20日 府中の森芸術劇場どりーむホール
これに納められている「ヴァイオリンと管弦楽のための協奏風狂詩曲」が素晴らしいと思います。艶やか、しなやかなヴァイオリンの流れがあるかと思えば、伊福部さんがうまいなあ、と思う刻みながら進行するような力を聴くことできます。これは名曲だと思います。
chiiitan121 1 month ago
もっと日本国内でもっと演奏されてもいい曲ですよね?私の周りにも伊福部氏の音楽を聴いて初めてクラシックに触れて、「モーツァルトより伊福部だ」と言ってる人がいます。日本の作曲家の曲がなかなか演奏されないのは寂しいかぎりです。
tom1977ization 3 months ago
素敵な音楽をありがとうございます
kinchem5454 1 year ago