《金融ワンワールド主義の挫折②》
藤井厳喜(政治学者) 2011年12月29日出演②
過去30年間ほどの間、進められてきた金融を中心とするワンワールド主義が挫折したのが2008年9月のリーマンショックでした。
今、世界の資本主義は、次の時代のルール作りに向かって、苦しんでいる最中です。
過去30年間、先進国の経済は、製造業中心からサービス産業中心に、大きく変質してきました。
サービス産業の中でも特に、爆発的な発展を遂げたのが、金融サービス業でした。
金融サービス業は、IT技術の発達、それと不可分の金融工学の発展、様々な金融デリバティブと呼ばれる派生商品の発生、等々の要素に支えられて、革命的な成長を遂げました。
金融サービス業にとっては、各国の金融規制を取り除いたグローバル・ワン・マーケットこそが理想です。
金融サービス業が中心となり、世界経済を「グローバル・ワンマーケット」「ワンワールド・マーケット」の方向に押し進めてきたのが、過去30年の最も大きなトレンドでした。
一方、製造業は、軽工業から始まり、低賃金や安い税金を求めて、発展途上国に再配備されてゆくことになりました。
先進国は、金融業に特化し、製造業は発展途上国に移転するというのが、これまた過去30年間の世界的なトレンドであったと言えます。
先進国と発展途上国が、相互補完的に、つまり車の両輪のように上手く経済発展をすればよかったのですが、現実はそうはなりませんでした。
ワンワールド主義は次のような構造的な問題点を生み出してゆきました。
1)先進国における中産階級の崩壊
製造業を中心とした良質の雇用が発展途上国に流出した為に、先進国の中産階級の数はドンドン現象してゆきました。
2)発展途上国における貧困層の最貧層へのシワ寄せ
低開発国は全体としては成長しましたが、社会の最貧困層の人々がこの経済成長に取り残され、経済難民化する傾向がありました。
3)先進国が低開発国を金融支配するようになってきました。
このシステムの中では、巨大な多国籍企業のみが利益を上げる事になります。
又、先進国マネーが、規模の小さな発展途上国経済に流入した場合、急激なバブルが発生します。
バブル崩壊の時には、流入していたマネーが「貸しはがし」され、先進国に急速に引き上げてゆきます。
この為、急激なバブル崩壊によって、低開発国は非常に大きなダメージを受けてきました。
こういった金融サービス業の行き過ぎによるワンワールド主義の最終的な結末が、リーマンショックであり、ヨーロッパ金融危機であったわけです。
行き過ぎた自由放任型金融グローバリズムをここで一度、しっかりと修正し、新しいルールを作ることによって、資本主義経済の新たな発展を目指すべき時にきています。
12月28日付のファイナンシャル・タイムズは、社説で、この新しいルール作りについて、3つの方向性を打ち出しました。
① 大きくなり過ぎた金融経済を適当な大きさに戻す為に、金融サービス業への新たな規制が必要とされている。
② 株主の利益を軽視し、経営者の利益のみを重視するような経営が行なわれてきたので、これを改め、企業統治を改善する必要がある。
③ あまりに偏った大企業・富裕層にのみ有利な税制が行なわれてきたので、税制をより公正かつ公平なものに是正する必要がある。
私は、これら3つの主張は、誠に正鵠を得たものであると思います。
②の点については、株主を重視するのみならず、企業の従業員をも重視する方向で企業統治を改善する必要があります。
FT紙の社説は、過度に膨張しすぎた金融経済について警告を発しました。
これが最も重要な点でしょう。
これが陰謀ではなく自然にそう言う風になってしまったと説明するのはちょっと無神経に過ぎるのでは?成ってみなければ予想できなかった事柄などでではないと思うのですが…それにしても、金融工学とか、奇妙な言葉を創ったのは誰なんでしょうね?
normalizetheworld 3 weeks ago
根本はお金の仕組みだろう
gbcjpn 2 months ago
まずは、鳩山家の脱税に厳罰を!
Usamiben 2 months ago in playlist ChannelAJER02 さんのその他の動画 2