理趣経 (中曲) 「勧請」
第一楽章~第五楽章で構成する予定です。
真言宗は密教というカテゴリーに属しますが、密教の拠り所とする『大日経』『金剛頂経』のうち、理趣経は読誦することで功徳が得られるとする部分です。
そのため真言宗では日々の勤行、法事、葬儀などの際、読誦し、高野山真言宗の教典のうち、最も重要なお経の一つです。
一般的に仏教の教えは「欲を滅する」ことで覚りを得ようとしますが、より発展した密教の教えでは、「欲」を肯定し、これを正しく合理化し、生きる力、衆生を救う原動力に変換していくことが、人のあるべき姿であると説きます。
この大きな見地に立った欲を「大欲たいよく」と言います。
ただし、「欲を満たす」ことを肯定すると誤解を招きやすいことから、修行を積み、このお経の本質を理解した者で
なければ読誦してはいけないとの規則になっています。
真言宗では「あの世」「極楽」「浄土」と呼ばれるところが、遙か遠くにあるとは考えません。
この現実世界が成り得るもので、またそう思えるような心を作ること(覚り)を目的とします。
この曲では、平和を希求する心を理趣経の「大欲」に重ね、我々ひとりひとりの意識を向上させ、その行いの積み重ねによって平和社会が訪れることを願うものです。
また「中曲ちゅうきょく」とは理趣経の読み方の種類の一つで、読経の前後に非常に豊かな節を付け、また集まった僧侶が本堂の導師の周りを行列しながら唱えることに特徴があり、その意味は読経により深い想いを捧げること、さらに仏さまに対しての歓喜の気持ちを表すことにあります。
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