もう二度と帰れない。それでも私はこの境界を越える。
結婚式の今日は、花嫁モナにとって最高に幸福な日となるはずだ。なのに、彼女も姉のアマルも悲しげな顔をしている。一度境界線(現在の軍事境界線の意)を越えて花婿のいるシリア側へ行ってしまうと、二度と帰れないのだ。覚悟を決めたモナを待ち受けていたのは。
舞台はゴラン高原のある村。イスラムの少数派とされる、ドゥルーズ派の一家族に焦点があてられている。ここは、もともとシリア領であったが、1967年の第三次中東戦争でイスラエルが占領。この地域の多くの住人たちは無国籍者となり、新たに引かれた境界線の向こう側にいる肉親との行き来さえ不可能にされている。
エラン・リクリス監督は、中東の複雑な情勢を背景に、花嫁と家族の一日のエピソードの数々を、時に美しく、時にコミカルにかつリズミカルに積み重ね、観る者の心を惹きつけて離さない感動作を誕生させた。04年モントリオール世界映画祭でグランプリ・観客賞・国際批評家連盟賞・エキュメニカル賞の4冠受賞という快挙を遂げた。同年のロカルノ国際映画祭では観客賞を受賞。世界中の観客の圧倒的な支持を得て、10以上もの賞に輝いている。
監督・共同脚本:エラン・リクリス 出演:ヒアム・アッバス、マクラム・J・フーリ、クララ・フーリ ほか
2004年/イスラエル=フランス=ドイツ/アラビア語・英語・ヘブライ語・ロシア語・フランス語/カラー/ドルビーSRD/シネマスコープ/97分
原題:The Syrian Bride 配給:シグロ、ビターズ・エンド <文部科学省特別選定(成人向)、文部科学省選定(成人向、家庭向)>
http://www.bitters.co.jp/hanayome/
09年2月21日、岩波ホール他全国順次ロードショー!
As for the human being, the heart that hatred will suffer from thickens till when, and tears do not stop. 安 永庵
ganasuya230 4 months ago